収益物件の購入を検討する際は、レントロール(rent roll)の確認をします。レントロールとはアパートやマンションなど1棟物件の賃貸借条件を一覧表にしたもののことで、部屋ごとの賃料や管理費がいくらで契約期間がいつまでなのか、といった情報が記載されています。レントロールをしっかりチェックすることで現在の家賃収入がわかるだけでなく、将来のリスクも考えることができます。そこで今回はレントロールを見る時のポイントについてご説明します。
1、 レントロールの日付
レントロールの日付が半年前、一年前と古く、最新のものでない場合があります。家賃相場も変われば入退去も発生するので、古い情報を見ても検討の役には立ちません。レントロールの内容に目を向ける前に、まずは必ず日付を確認するようにしましょう。
2、 賃料
レントロールに載った家賃を見ていくと、他より明らかに高い家賃の部屋がある場合があります。中古物件は入居時期によって家賃のばらつきがあり、一般的に新築の時は高く、築年が経つにつれ安くなっていくので、古くから住んでいる入居者の家賃は高くなります。今の家賃相場と違うので、退去されると次の入居者募集で家賃が下がる可能性が高く、そのまま収支を計算すると後で計画が狂ってしまうことになります。長期入居者の家賃は今の募集家賃に直して考える必要があります。
3、 入居状況
売主が少しでも高く売却するため、入居を偽装して満室を装っている場合があります。敷金・礼金なしや条件の大幅緩和で空室を埋めたり、家賃を負担して売れるまで一時的に入居させたりするケースも多いので注意が必要です。レントロール上では空室が少ない優良物件に見えても、入居時期が直近の同じ時期に偏っていないか、売主と同姓の入居者がいないかなどをチェックします。
4、 空室の募集家賃
利回りを良くして少しでも高く売るため、売主が空室の募集家賃を相場より高めに設定している場合もあります。周辺の相場を調べて、高い場合は適正家賃に直して収支を考える必要があります。
今回はレントロールを見る時のポイントについてお伝えしました。レントロールは不動産投資を判断する上でとても重要な書類です。失敗しない物件を購入するためには、記載された表面的な情報だけを見て鵜呑みにするのでなく、冷静に情報を読み取ることが大切になります。初めのうちは難しいかもしれませんが、経験を積みながら知識を深めていきましょう。